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■<7月コラム>連続運転時間に上限がある?運転手のルールについて紹介します!
集中力や体力が求められる運転手。ちょっとしたミスやトラブルが大事故につながる可能性もあるため、責任の大きな仕事です。そのような仕事を安全に続けるために、運転手には連続で運転できる時間などが決められていることを知っていましたか。本記事では、なぜ運転時間に関する決まりがあるのか、具体的にどのようなルールなのかを紹介します。
1.なぜルールがある?
テレビや新聞などで、長距離を走るトラックやバスの運転手が事故を起こしたというニュースを見聞きしたことがあるかもしれません。他の自動車や乗客を巻き込んで、大惨事につながることもあります。多くの場合このような事故は、適切な休憩をとらないまま長時間続けて運転をすることが引き金となります。人間が集中力を持続していられる時間は、決して長くないからです。疲れやストレスを感じればなおさらでしょう。長時間の連続運転は集中力を低下させ交通事故を引き起こす可能性があるため、運転手の運転時間にはさまざまなルールが定められているのです。
2.具体的なルール
運転手の運転時間に関するルールにはどのようなものがあるのでしょうか。連続運転時間や拘束時間、休息時間などに関してルールの具体的な内容を解説します。
2-1.連続運転時間は最大4時間!
厚生労働省の定める「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」によれば、運転手が連続で運転できる時間は最大4時間です。長時間車を運転する場合は、4時間以内、もしくは4時間経過直後に30分以上の休憩をはさまなければなりません。「10分休憩を3回」や「15分休憩を2回」など、休憩をわけることもできます。ただし、毎回の休憩は最低10分以上、なおかつ4時間内の合計を30分以上にするというのが条件です。運転距離や時間帯、業務内容などに応じて集中力を保ちやすい方法を選びましょう。なお、休憩時間とは業務から離れている時間を指すため、業務上発生する作業はたとえ運転をしていなくても運転時間に含まれます。また連続運転時間に加えて、1日や1週間の合計運転時間も定められています。1日に運転できる時間は、2日間の平均運転時間が9時間までです。1週間の運転時間は、2週間の平均で44時間が限度です。
2-2.拘束時間は1日13時間!
原則として、運転手の1日の拘束時間(始業から終業までの時間)は13時間です。休憩時間も拘束時間に含まれます。状況に応じて16時間まで延ばすことが可能ですが、15時間以上の拘束は週に2回までしかできません。また、1カ月の拘束時間に関してもルールがあり、293時間までです。ただし書面による労使協定を結べば、320時間までの拘束が可能になりますが、許可されるのは6カ月までです。さらに、1年間の合計拘束時間は、3516時間以内に抑える必要があります。単純に計算して293時間×12カ月が3516時間になるため、一時的に拘束時間を増やした場合は他の月で調節しなければなりません。
2-3.1日の休息時間は8時間以上!
運転手のルールには、休息期間に関する基準も設けられています。休息期間とは、勤務から離れ、次の勤務に就くまでの時間(退勤から次の出勤までの時間)のことです。原則、1日に8時間以上の休息期間をとらなければなりません。1日を24時間で単純に計算すると、たとえ拘束時間が16時間まで延びても、休息期間は8時間とれるはずです。なお、基本的に休息期間を分けることはできず、連続で8時間以上与える必要があります。さらに、休息期間よりも長い休みは休日で、休息期間+24時間と定められており、30時間を下回ることは認められません。休日労働ができるのは2週間に1回までです。
3.乗務について記録する「運転日報」も必須
運転手について気を付けなければならないポイントは連続運転時間だけではありません。社有車を保有している事業所では、乗務員に「運転日報」を記録させることが義務付けられています。社有車を保有しているなら安全運転管理者を配置する必要がありますが、法律で定められた安全運転管理者の義務の1つに「運転日誌の備え付け、記録」という項目があります。つまり、安全運転管理者には業務を終えた運転手にその日の運転状況について記録させる義務があるのです。
運転日報には、運転者名や走行時間、走行距離、点検状況などを記録します。法律で義務付けられていること以外にも、運転日報を記録するべき理由があります。まず、運転日報に運転の状況を詳しく記載することで、社用車が適切に利用しているかどうかを判断できるようになるでしょう。また、記録された走行距離や時間からルートの無駄を発見し、より効率の良い走り方を指示することでコスト削減などが図れるはずです。
4.過労運転を防ぐための対策
役員運転手の過労運転を防ぐのは経営者の義務だといえます。不適切な状態で運転手を働かせると重大な事故につながる恐れがあり、役員の生命や企業の利益を損なうことになりかねません。このような事態を防ぐ意味でも、過労運転を防ぐための対策を徹底することが大切です。
対策の基本として、運転手の健康状態はこまめにチェックするようにしましょう。健康状態が良くない場合は、休暇を取らせるなどして事故のリスクを避けるようにしてください。また、定められた拘束時間の上限を上回りそうなときは、交代人員を配置する方法が効果的です。
残業時間が多すぎると運転手にストレスがたまり、夜に眠れなくなる可能性があります。その結果、業務に集中できなくなって残業時間がさらに増えるという悪循環に陥ることがあるので注意が必要です。
■健康管理をしっかりと
体調不良や健康上のちょっとした問題が大事故につながる可能性もあるため、運転手にはしっかりとした健康管理が求められます。運転時間に関するルールを守ることも、そのひとつです。法律を守るだけではなく、自分自身やクライアント、他の人の命を守るためにしっかりルールを学ぶことが大切です。休憩や休息をしっかりとり、食事や運動に気を配るなど日頃の健康管理を怠らず、安心して仕事に励みましょう。
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